現代の代書屋は、代書屋ならぬ入力屋

 江戸時代の代書屋ってのは、文字がかけない庶民に変わって、代筆するのが大事な仕事だった。落語には、ラブレターを書くシーンなども残っているが、意思表示をするための書類ということであれば、あえて言うなら、内容証明書の作成あたりが一番近い仕事だろうか、、まさか今時ラブレターを内容証明でおくる人はいないだろうけど、、

では現代の代書屋行政書士は何をしてるのかといえばだ、行政な複雑な申請手続きをかわってやっつけるという側面もあるが、実は自分でパソコン操作をできない人たちの手足になるという側面も少なからずある。

昨今の月次支援金、持続化給付金、営業短縮にかかわる協力金などもそうだ!スマホを普通に扱える人であれば、書類さえ整えば、自身で対応が可能である。ところが書類を整える、申請をする、この二つともできないか、どちらかができない人、やれるけど面倒くさいという人、時間がもったいないと考える人が少なからずいるので、我々の仕事がある。

つまりITに強い行政書士というのは、お客様からみれば、十分依頼するモチベーションになるということだ。ITといったところで、プログラミングができる必要などはなく、WORDを平均以上に使いこなせる、自分でパソコン環境を整えられるというレベルで十分である。

一方で、この程度のことさえできれば仕事になるのだから、将来なくなる職種の筆頭にあげられても不思議はない。事実、かつて行政書士の主要業務であった免許の書き換えなどは、コンピューター管理ができるようになって最初になくなった業務である。

だから行政書士に未来はないという人もいるが、行政は次から次への規制をつくるので、そう簡単にはなくならないとは思う。選挙のたびに政治家の口からよくきく規制緩和だが、規制が緩和されると必ず別の規制が、しかももっと厳しい規制ができるのが常である。目の前にある問題をどう解決するかという行政手続きにたいする問題解決コンサルタントとしての側面はなくならないということである。

病気や健康に関する情報がいくらあふれても、医者はなくなるどころか不足しているのだから、行政書士もそういう存在になれるチャンスはある。つまりは、法律も規制もなくならないし、「やってみてぇことはあるんだが、いってい何から手をつけりゃいいんだ」という人は減っていかないということだ。

日本の行政のデジタル化は遅いし、それほど簡易なシステムにもすぐにはならないだろうから、ここ数年は、まだIT能力で飯が食える時代が続くだろう。新規登録者の方が時々挨拶にこられるが、WORDのインデント調整すらできない人もいるので、行政書士になったら、まずは自分のパソコン能力のレベルを見直してみるのがよろしいかと思う。

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