行政書士事務所開業ラッシュ〜第二弾:事務所を開いたやっておいたほうが良いこと
行政書士事務所を開設したら、最初にやっておいたほうが良いことというのがある。まぁ、「そんなことはわかってるよ」ということばかりかもしれないが、案外、後回しにされているので、だらだらあげておこう。これは行政書士以外の起業でもおなじなので、創業支援をするときにもやくにたつ。若干上から目線になるところはお許しいただきたい。
地元の信用金庫に口座をひらく
どんな行政書士業務を行うかによって関わり方はかわるが、地元の信金との取引は、マイナスになることはない。できれば2、3件は取引をしておくことをおすすめする。事業者を顧客にしたいと考えている場合には、融資関係業務でスムーズに仕事が進められるし、運が良ければ許認可のお客さんを紹介してくれることもある。また、セミナーなどに積極的な金融機関もあり、セミナーをさせてもらって、顧客開拓に利用する方法もある。いずれにしても損することはない。ただし、いずれかこれぞと思う一行で借り入れをしておくべきだ。
開業資金を借りておく
創業時は一番資金を借りやすい時期である。「なんとかやっていけるから良い」と思いがちだが、行政書士事務所を開業するというのは、腹をくくって起業するのと同じで、資金があってもなくても借り入れは必須と心得るべきだ。選択肢としては、日本政策金融公庫と保証協会を利用した制度融資が考えられるが、できれば両方から100万ずつでも良いので借りておく。事業というのは何がおこるかわからないというのが理由の一つではあるが、前述の地元信用金庫との良好な関係を築くという意味でも借り入れておくべきである。資金の借り手というのは、金融機関にとってお客である。つまり口座を開いただけの取引先より大事にしなくてはならない。当然、もうかってもらわなければ困るし、つぶれはれてはもともこもない。将来への備え、営業ツールどちらの点からも借りておくのは必須と思った方が良い。少なくとも親族の応援など受けないことだ。(HPにもこの理由は説明しているが、また次回に書こうと思う)また、日本行政書士会は日本政策金融公庫とタイアップをしており、創業計画書や知的資産経営レポートの作成業務も重要な業務である。実際に自分で創業計画を作成し、借り入れをしてみれば、良い経験になる。東京都行政書士会は、地銀、信金ともタイアップをしており、何度も触れるが、金融機関との良好な関係を築くためにも、金利と保証料くらいはお付き合いだと思って負担をしてほしい。金利補助をしてくれる自治体もあるので、実質無金利になる場合もある。
会計ソフトを導入しておく。
最初のうちは、経費もわずかで、売り上げもたいしたこともないだろうから、エクセルで十分と思うかもしれない。それでも、最初から会計ソフト、できればクラウド型のサービスを利用すべきだ。記帳の手間、正確性、請求書発行の手間、どの点をとっても、エクセルとは比べものにならない。事務所の資金状態を数字で把握しておくことは、規模の大小にかかわらず必須である。freee , Money Forward, 弥生オンラインといくつもサービスは提供されている。費用面で考えるとfreee が良いのだが、仕訳の知識があり、なおかつ実務経験のある方は、freeeは嫌がる。税理士もそうだ。だが、逆に言えば、Money Forwardは記帳の知識がないと扱いがむずかしい。
税理士と契約しておく
税理士に限らず、他士業との付き合いは無駄になることはない。その中でも、税理士はすぐに役に立つので、最初から親しい人を作っておく。申告など自分でできると思う方もいると思うが、専門家がやってくれることは専門家に任せた方が良い。そんなところで余計な頭を使わないことだ。ただし、未だにTKC提供ののインストール型しか使っていないような方はご遠慮願った方が良い。月に1回の巡回の時にしかデータを見てもらえないのでは意味がない。
ITに強くなる
中にはびっくりするくらいITリテラシーに欠ける人もいる。しかしながら、そこそこのIT知識は必須と心得るべきだ。ITのレベルといっても、エクセルのこれができれば大丈夫といった基準があるわけではない。あえていうなら、少なくともアプリレベルにおいては、自分自身で問題解決ができるレベルが必要だということだ。何か書類を作成するというときに、これを使ったらこういうことができるだろうか、これがだめならこの方法はどうだろうかという思考がデジタルレベルでとれるかどうかである。教えてもらわないとわからないと思っている人は、そもそも心構えに問題がある。ITにしろ、行政書士実務にしろ、興味をもって自分から飛び込んでいく人はあっとうまにレベルがあがる。
広告費を準備しておく
最初から人間関係があり、支援をしてくれる顧客をもっている人はともかく、どう仕事をとるかというところが最初の問題である。結局、ストレートに新規案件を受任していくための手段としては、インターネット広告にまさるものはない。仮に15万で受任する案件を2件とりたいという程度であれば、Google広告であれば、月5,6万でそれなりの効果がでるはずだ。Google以外にも、Facebook,Twitterなどもある。ネット広告、SNSの知識も含めてITリテラシーはあげていく必要がある。インターネットも含めてそれぞれの媒体にどのような特徴があるのか、学ぶのに一番良いのは自分でやってみることだ。私が最初に仕事をとったのは、Facebook広告で、そのときの費用は運が良かったのだが1日100円だった。現在は、専任者と契約をしているが、それらの費用を合算しても、月15万〜20万程度で、その費用で新規案件が10件を切ることはない。良い仕事をすれば、再度の依頼や紹介で業務は増えていくが、まずは1件、1件しっかり受任していく必要があり、そのために広告知識、予算はそれなりに確保しておくべきである。
とまぁ、生意気なことをたくさん書いたが、新しい時代には新しいやり方が生まれるので、もしかすると独自の方法が生きるのかもしれない。ただ、まぁ、まだ、このやりかたもそれなりには通用するはずです。