契約書の想い出〜其の三

もう一つ冷や汗体験

あるグループの日本公演のときの話。
突然メンバーの一人がこないと言い始めた。
しかも行ってもいいけどギャラをあげろという。

もちろん契約書にはギャランティーは明確に記載してあるし、
本人は承知してサインしているのだから、
無茶な話なのだ。

フェスティバルの出演も決まっていたので、
来日が流れることだけはさけなければならない。
他のメンバーも困っていて、
メンバーの入れ替えも視野にいれて交渉した。

結局、来ないと言っていたメンバーの師匠にあたる方の説得で、
来日することになり事なきを得た。

しかしなぜこんなことを言い出したのか?
来日した本人に聞いてみた。

「ごめんね、お金に困ってたんだ」
と笑って言われた。
それにしても一度契約書にサインしているではないか?
本人曰く
キャンセルしたときのペナルティーの記載が曖昧だったから、
キャンセルをたてにギャランティーの交渉もしてよいと理解したらしい。
その理由には他のメンバーもあきれかえっていたが、
それでもいざやってくるとそんなことがあったことなど、
みじんもみせずに良いパフォーマンスをする。

このあたりが実に日本人と違うところなのだが、
良いところでもある。

自分のことだからいいが、他人の契約書を扱う今となってはあってはならないミスだ。
ど素人がやるとこういう簡単なミスをする。
しかし、このミスには別の原因がある。
それは次回。

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